三重県鳥羽市【海辺に佇む、目と母性を守る浦の権現さん】浦神社

伊勢志摩の海辺にひっそりと佇む浦神社は、「目薬の水が湧く、癒しと見守りの磐座神社」として地元の方々に「浦の権現さん」と親しまれています。参道を進むと、まず目に入るのは高さ約30メートルにも及ぶ巨大な一枚岩。これが浦神社の御神体であり、磐座信仰の名残を色濃く残しています。急な50段の石段を一歩一歩登るごとに、心が清められ、日常の喧騒が遠ざかっていくのを感じました。石段の途中には滝が流れ、その水が絶えることはないと伝えられています。本殿の左手には小さな祠があり、そこから「目薬の水」と呼ばれる湧き水がこんこんと湧き出ています。この水は古くから「飲めば目の病が良くなる」と伝えられ、老眼や疲れ目、眼病平癒を願う人々が全国から訪れます。実際に清水を手に取り、目元をそっと濡らして祈ると、ひんやりとした水の感触とともに、目の奥まで澄み渡るような癒しを感じました。
主祭神は安曇別之命(あづみわけのみこと)という女性の神様。かつて食料が乏しい時代には、「お乳の神様」として信仰され、安産や子育て、母乳の出を願う参拝者も多かったそうです。家族の健康や子どもの成長を祈る人々の思いが、この地に今も息づいています。御神体の巨岩には「神の目」が刻まれているとされ、訪れる人々を見守ってくれる存在として信仰されています。参拝を終えてふと振り返ると、海と森、巨岩と滝が織りなす静謐な景色が広がり、心がすっと軽くなりました。
浦神社は、巨岩の御神体と「目薬の水」、そして地域に根付いた優しい信仰が響き合う特別な場所。
眼病平癒や健康祈願、家族の幸せを願う方に、ぜひ訪れてほしい癒しと見守りの磐座神社です。
伊勢志摩を旅する際は、静かなパワースポットで心と体をリセットしてみてはいかがでしょうか。
磐座に宿る神の目と、清らかな湧き水の癒を。